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鄭秀和(てい・しゅうわ)◎68年神奈川県生まれ。 94年武蔵野美術大学造形研究科建 築コース修了。96年有限会社 インテンショナリーズ一級建築士事務所を共同で設立。02年株式会社リアル フリートの設立に参加。04年5月よりインテンショナリーズ/リアルフリートの クリエイティブディレクターを兼任。 東芝の家電シリーズ「atehaka」 「amadana」など、異業種とのコラボレーションを積極的に進め、 建築の枠 に留まらず活躍の場を広げている。台湾、ハワイなど海外プロジェクトも進行中。
http://www.intentionallies.co.jp/
悠久の都「李朝」をコンセプトに設計された
吉祥寺店の店内
鄭さん自ら韓国まで買い付けに行った
バンダジの上にメガネを陳列
JIN’s GLOABAL STANDARD吉祥寺店を設計する上で、
最大のポイントは?
鄭:
まず、メガネの量を見せながら、いかに混乱させないようにするかには気を遣いました。 ショップのテクノロジーというのはけっこう考えられていて、そこを外すとお客さんも手に取りにくくなるし、 お店の人にとっても使い勝手が悪くなって、それが売り上げにも反映してしまう。 僕らは芸術作品を創っているわけではないので、テクノロジーに沿った上で インテンショナリーズらしさを出せればいいかなと。
メガネショップ特有の難しさはありますか。
鄭:
ある種、禁欲的ですよね。これ(メガネ)しかないわけですから。これを全部天井から吊りますというのは、 洋服の、たとえばアバンギャルドなブランドの店ならあるかもしれないけど、メガネはちょっとありえないですよね。 その意味で制約が多いというか、禁欲的だなと思います。
メガネショップはある種禁欲的な世界制約された中でいかに戦うか
朝鮮半島最後の王朝「李朝」を設計コンセプトにされたそうですが、発想のヒントは?
鄭:
最初にJIN’sさんとお話し合いをした時から、何店舗かお願いしますという依頼があったので、それなら極東やアジアなど、 店舗ごとに世界各国を旅行しているようなイメージにしようと。もともとJIN’sは、田中社長が韓国へ旅行された時に低価格の メガネショップに出会って、ビジネスモデルとして成り立つのではないかという発想からスタートしたんだそうです。 それもあって、僕の中で「出発点は李朝かな」と思ったのかもしれませんね。
鄭さんは以前から李朝の文化に興味を持たれていたそうですね。
鄭:
韓国のある時代の様式が以前からすごく好きでしたね。とてもほっくりしていて、意図して創れないところがある。 吉祥寺店のコンセプトを李朝と決めた際には、すでにバンダジ(李朝家具で衣装用の収納箱)などの設置も考えていて、 実際に韓国まで買いつけに行きましたよ。ソウルに行くとちょっと懐かしい感覚があるじゃないですか。 吉祥寺もあの辺りは昭和の匂いというか、昔からあったような場所という雰囲気がある。この店舗の場合は、 そういう部分も含めて「街に愛される店」を目指しました。それは「昔からあった」ということかもしれないし、 「記憶の中に存在していた」ということかもしれないし。
インタビュー中、興味深そうにメガネの細部を観察する鄭さん
プロダクトの視点で見つめるとメガネは美しい?。
鄭さんの隣に座っているのは、JIN’sショップの設計プロジェクトメンバーであるインテンショナリーズ・下田倫史(しもだともふみ)さん。 店舗ができるたびにメガネをコレクションしているそう
メガネ自体については、どんなイメージを持っていますか。
鄭:
JIN’sの店舗ができるたびにメガネを買っているスタッフもいますが、僕自身はふだんあまりメガネはかけないんですよ。 うちの兄貴(ミュージシャンのテイ・トーワさん)はいつもかけていますけどね(笑)。“メガネ”という風にとらえると、 どうしても機能が関係してくるので使ってはいないですけど、“プロダクト”の視点で見ると美しさを感じますね。 金属がプラスチックの中で透けて見えていたり。こういうのを見ていると、ああ綺麗だなと思いますし、 家電にも応用できないかなと考えたりもしますね。
JIN’sのサングラスをかけていただいていますが、
それを選んだポイントは?
鄭:
お店の方に聞きながら4つぐらいに絞って、その中から選びました。この、グリーンというか茶色というか、 何ともいえない色合いがインテンショナリーズっぽいかなと。
今後、メガネのデザインを手がける可能性もありますか。
鄭:
今のところ予定はないんですが。先日、ショップでJIN’sの職人シリーズも見ましたけど、いい素材を使っているのがわかる。 いいものは、やはりいいんだなと思いましたね。もし自分が手がけることになったら、やっぱり手仕事の素晴らしさを感じられるものになるでしょうね。